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「Nature Fix 自然が最高の脳を作る」驚くべき自然のメリット5つ

自然の中で過ごすと、リラックスしたり、心が穏やかになった経験はありませんか?

 

「なんとなく自然の中にいることは体に良さそう」と感じているかもしれませんが、想像以上に自然はすごい力を持っています。

例えば、緑の多い地域に住んでいる人は、孤独感を感じることが少ないという研究があります。

 

「自分は都会に住んでいるから自然に触れるのは無理だ・・」だと諦めている方。
大丈夫です!街中の自然にも効果があります。
また、自然の中で過ごすメリットを理解すると、その良い影響を受けやすくなります。

 

こちらの記事では、アメリカの名門大学の教授フローレンス・ウィリアムズさんが書いた「Nature Fix 自然が最高の脳を作る」を参考に、自然の中で過ごす5つのメリットをまとめました。

 

驚くべき自然のメリット5つ
  1. たったの15分でストレス解消
  2. ヒノキ香りで免疫が強くなる
  3. 小鳥のさえずりで気分改善
  4. 創造性50%アップ!アイディアが生まれやすくなる
  5. 大自然で脳にポジティブな変化が起こる
今日からできる!自然の中での時間を増やす【30×30チャレンジ】

 

是非こちらの記事を読んでみて、自然のメリットを受け取ってください。

 

自然の中で過ごす5つのメリット

1. たったの15分でストレス解消

町中の公園で15分〜45分間過ごすだけで、気分が上向きになり、活力が湧いて、ストレスを軽減されます。

 

フィンランド国立自然資源研究所のチームは、82人のオフィスワーカーを対象に、自然の中で過ごしたあとの気分と、ストレスの軽減について調べました。

 

3つのグループに分け、都心、整備された公園、森林公園で過ごしてもらいました。30分間のんびりと散歩をし、その前後で15分じっと座ってもらいました。(15分座る→30分散歩→15分座る)

人との交流による影響をなくすために、お互いに会話はしないように指示がありました。

 

実験の結果、都心で過ごしたグループは、ストレスから回復した感覚はほとんどありませんでした。

整備された公園、森林公園で過ごした2つのグループは、最初の15分で、ストレスから回復したと実感し始めました。30分の散歩をすると、ストレスから回復した感覚がさらに強まりました。

さらに、この2つのグループは、都会で過ごした人よりも20%気分が上向きになりました。45分間自然の中で過ごすと、活力度も上がりました。

 

町中の公園でも効果が見られたのは、都会に住む私たちにとってありがたい結果ですね!

 

2. ヒノキの香りで免疫が強くなる

森の中で深呼吸すると、浄化されたような、気分がスーッとなった経験はありませんか。その樹木が発散するいい香りは、フィトンチッドと呼ばれています。

フィトンチッドは、植物に有害な菌や昆虫から身を守るために、植物自身が自己防衛のためにつくりあげたものです。

 

このフィトンチッドは、人間の免疫を強化することが実験でわかりました。

 

13人の被験者にホテルに3泊してもらいました。一部の部屋では、ヒノキから抽出したオイルを加湿器にセットしました。他の部屋では、香りはいっさい放出させませんでした。

フィトンチッドは、常緑樹をはじめとするさまさまな樹木から放出されています。ヒノキもその1つです。

 

ヒノキの香りの部屋で睡眠をとった被験者は、3日後にナチュラルキラー細胞が20%増えて、疲労感が軽くなったと報告しました。一方、香りにない部屋ですごした被験者になんら変化は見られませんでした。

ナチュラルキラー細胞は、腫瘍やウイルスに感染した細胞を破壊してくれる細胞です。病原菌から人体を守る機能があります。

 

ヒノキの香りを嗅いで3日間過ごしただけで、免疫が強くなり、疲労感が軽くなるのはすごい発見ですよね!

 

ヒノキの他にも、香りによるさまざまなメリットがわかっています。

ローズマリーやラベンダーは、ストレスホルモンであるコルチゾールが減り、心臓への血流速度を改善させます。また、アロマディフューザーは、患者の不安感を80%も大幅に減少させました。

 

ヒノキの実験を行った日本医科大学の免疫学者は、市販されているアロマテラピー用オイルで十分に効果があると言っています。ヒノキやラベンダーのアロマオイルは無印で買うことができるので、ぜひみなさんも試してみてください。

 

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3. ことりのさえずりで気分が改善する

自然のメリットは、においだけではありません、音にもメリットがあります。

 

水や風の音、ことりのさえずりは人を元気にさせ、注意深さと気分の改善に役立ちます。なので川沿いなど、水辺の散歩は、気分の改善にとても良いです。

 

Youtubeなどで”Nature sounds”と検索すると、自然音を録音したものが聞けます。仕事中に集中したいときは、自然音を聞いてみてください。

 

ただ、イヤホンずっとをつけていると学習性難聴になるので、その点は注意が必要です。

 

4. 創造性50%アップ!アイディアが生まれやすくなる

自然の中で過ごすと、新しいアイディアが思いつきやすくなったり、頭の中の情報が整理されます。

 

イギリスの冒険教育機関は56人の参加者を対象に、自然の中で過ごしたあとの創造性の変化について調べました。

 

参加者の全員に3日間のハイキングに出かけてもらいました。

半分の参加者にはハイキングに出発する前に、直感力と創造性を楽しみなら計測できるテストを受けてもらいました。残りの半分の参加者には、ハイキングを終えた後にテストを受けてもらいました。

 

ほんの数日自然の中で過ごしただけで、なんと50%も創造性が向上しました!その結果は、科学誌「プロスワン」にも掲載されました。

 

創造性50%アップは、驚くべき結果です。なぜ自然の中にいると、創造性が上がるのでしょうか。

 

自然の中にいると、デフォルトモードネットワークがオンになりやすくなるためです。

 

脳には、主に3つのモードがあります。

  1. デフォルトモードネットワーク:リラックスして脳が回復している
  2. 実行ネットワーク:集中して作業したり、気を張っている
  3. 空間知覚ネットワーク:自分のいる場所や空間を把握する

3つのモードは、同時に1つしか使うことができません。

 

デフォルトモードネットワークは、新しいアイディアを思いついたり、記憶の整理に役立ちます。さらに、脳が最高の力が出せるように、脳機能の回復も行います。

 

自然の中にいると、リラックスできて、脳があれこれ考えつづけるのを一旦休憩することによって、創造性が高まるのではないかと思います。

 

5. 大自然で脳にポジティブな変化が生じる

ヒノキのアロマオイルや、町中の公園での散歩など、手軽に体験できる自然のメリットを紹介してきましたが、やはり大自然に勝てるものはありません。

 

大自然の中にいると「畏怖の念」を抱くことがあります。畏怖の念とは、頭を吹き飛ばされたような衝撃を受けることです。

 

心の底から驚くような衝撃をうけ、畏怖の念を覚えると、人生観が変わることがあります。畏怖の念には、態度・気分・行動、さらには脳にも長い間持続するポジティブな変化を起こすことがあります。

臨死体験、登山者、サーファー、日食や月食を見た人、イルカと一緒に泳いだ人などは、畏怖の念に打たれて、人生が一変するような衝撃を受けることがあります。

 

カリフォルニア大学バークレー校の研究者は、畏怖の念は、自己中心的な考えが抑えられ、社会の利益へと視野が広がる効果があると考えていました。それを確かめるために、このような実験を行いました。

 

被験者の一部を背の高いユーカリの森に連れていき、1分間、木を見上げてもらいました。別のグループには、高層ビルを見上げてもらいました。

その後、それぞれの被験者の前で、助手が手にしていた何本ものボールペンをうっかり床に落としました。

 

すると、木を見上げてもらったグループは、高層ビルを見上げたグループと比べて、困っている人に手を貸す確率が高い結果になりました。わずか1分間、木を見上げるだけでも効果がありました。

 

私も人生で何度か、これが畏怖の念だったのかなと思う経験があります。

 

沖縄の北谷で、早起きをして朝の6時くらいからサーフィンをしました。朝日が差し込んで底まで見える透き通る海を見て、涙が出そうになるくらい、自然の美しさを感じました。
これまでのサーフィン以上に、その時は自然と一体になった感覚がありました。海から上がった後も心が穏やかになった気がしました。

 

人がたくさんいたり、うるさかったり、暑すぎたりする環境では、自然を心から感じることは難しいです。畏怖の念を抱くためには、数日休暇をとって、人が少ない森や、小さな島に行ってみるのがいいと思います。

 

今日からできる!自然の中での時間を増やす【30×30チャレンジ】

最後に、カナダのトレント大学が行なった30×30自然チャンレンジをご紹介いたします。

 

自然の中を1日30分、30日間連続で9,000人に散歩してもらう実験です。被験者は事前のアンケートで、精神状態、活力、活動、自然との主観的なつながり、などの質問に答えました。

30日間毎日、自然のある場所、川沿いや町中の公園の側などを歩いてもらいました。

 

その結果、自然のなかですごす時間が長ければ長いほど、被験者の生活の満足度は改善されました。

気分や精神的な落ち着きなど、幸福感が大きく上昇、ストレスを感じることが減り、物事を悲観的に考えないようになりました。わずかながら、睡眠の質の改善も見られました。

さらに、1ヶ月後には、被験者の自然の中で過ごす時間が、5時間から10時間の2倍に増えました。車に乗っている時間やメールに費やす時間も減っていました。

 

1日30分であれば、なんとか続けられそうですよね。朝15分、昼15分で分けて行なってもいいと思います。ぜひみなさんも、30×30チャレンジをやってみてください。

 

まとめ

本記事では、「Nature Fix 自然が最高の脳を作る」も元に、自然の中で過ごすメリットと、30×30チャレンジをご紹介いたしました。

驚くべき自然のメリット5つ
  1. たったの15分でストレス解消
  2. ヒノキ香りで免疫が強くなる
  3. 小鳥のさえずりで気分改善
  4. 創造性50%アップ!アイディアが生まれやすくなる
  5. 大自然で脳にポジティブな変化が起こる
今日からできる!自然の中での時間を増やす【30×30チャレンジ】

 

自然は最強のストレス解消法で、幸福感と創造性を高めるのに役立ちます。

日本は緑に恵まれていて治安も良いので、散歩するのにはとても良い環境です。アメリカで行われた実験中に著者は、散歩中に下半身を見せびらかしている男性に遭遇するなど大変な思いもしています・・

安全には気をつけつつ、川も森も海も公園も身近にあるこの恵まれた環境で、自然の中で過ごす時間をもうけてみてください。

参考URL

DMNとは? 創造力を高め、脳疲労を防ぐために知っておくべき9つのこと|Study Hacker

フィトンチッどのさまざまな効果|森林・林業学習館