キャリア

【スキルが身につく仕事】デジタル広告代理店で働くメリットとデメリット

デジタル広告業界って名前はよく聞くけど実際どんな仕事しているの?
就職活動中で、広告業界面白そうだけど色んな会社があって良く分からない。

そんな方のために、

・広告代理店の役割
・デジタル広告代理店のざっくりとした仕事内容
・デジタル広告代理店で働くメリットとデメリット

をご紹介いたします。

私は社会人4年目で、新卒から現在もデジタル広告業界で働いています。

新卒で入社した外資大手広告代理店で2年
国内のデジタルマーケティングコンサル会社で半年
現在外資系デジタル広告プラットフォームで1年

というような感じです。

友達によく「デジタル広告の仕事って何しているの?」と聞かれるのと、自分自身入社するまでこんな仕事があることを知らなかったので、今回はデジタル広告代理店の仕事についてご紹介しようと思います。

広告代理店の役割

広告代理の役割は大きく2つあります。

1. 広告クリエイティブの制作
広告バナー・動画・LP・サイトなどのプランニングと制作

2. 広告枠の買い付け
TV、新聞雑誌、屋外広告、検索広告、ソーシャルメディアなど広告を掲載する媒体の選定と出稿

外資系の代理店は、この役割によって会社が分かれています。
国内の総合代理店でも、クリエイティブと広告枠の買い付けの部署が分かれています。

広告枠の買い付けの中でもさらに、オフラインとデジタルで会社や部署が分かれています。

広告枠の買い付け
 ・オフライン(TV、屋外広告、新聞、雑誌、ラジオ、イベントなど)
 ・デジタル(検索広告、ソーシャルメディア、その他のサイトやアプリなど)

さらに細分化すると、デジタル広告の中では、予約型広告と運用型広告に分かれています。

デジタル広告枠の買い付け
 -予約型
Yahoo、Twitter、Amazon、デジタル屋外広告など(Twitter、Yahoo、Amazonは、運用型の広告枠も持っています。)

 -運用型
検索広告、ソーシャルメディア、その他のサイトやアプリ

全体をまとめるとこうなります。

1. 広告クリエイティブの制作
広告バナー・動画・LP・サイトなどのプランニングと制作

2. 広告枠の買い付け
 ・オフライン
 TV、屋外広告、新聞、雑誌、ラジオ、イベントなど

 ・デジタル
  -予約型・純広告
  Yahoo予約型、Twitterプロモトレンド、Amazon(一部)、デジタル屋外広告など
  *Twitter、Yahoo、Amazonは、運用型の広告メニューも持っています。

  -運用型
  検索広告、ソーシャルメディア広告、その他のサイトやアプリの広告
  *その他のサイトやアプリに配信する広告プラットフォームをアドネットワークやDSPと呼んだりします。有名なプラットフォームはGDNやYDNなとがあります。

ちなみに私は、デジタルの運用型広告を取り扱う代理店で働いていました。

デジタル広告代理店の仕事内容

仕事の内容は主に5つです。

1. 広告主からの依頼のヒアリングや提案
お客さんとのメールやミーティングをして、広告配信の概要を聞きます。
予算、配信期間、広告配信の目的、どんなクリエイティブを使うかなど。

2. メディアプランニング
お客さんからもらった情報を元に、今回のターゲットと目的に合わせてどんな配信プランにするか考えます。

具体的には、シミュレーションや提案資料を作ります。シミュレーションは、広告予算に対して、どれだけのクリック数、CV数が見込めるかなどをエクセルにまとめたものです。どの媒体にいくら予算を使うか、どんなターゲティングを使うかも記載します。

「広告 シミュレーション」と画像検索すると例を見ることができます。

3. 各広告プラットフォームでの入稿・設定
複数のプラットフォームを使っていると少し面倒くさいですが、それぞれのUIに合わせて広告の配信設定をします。

デジタル広告代理店の仕事の中で最も重要な部分です。予算100万円なのに、桁を入力し間違えて1,000万円と入力してしまうと、1,000万円使ってしまいます。ダブルチェックをしたりして、設定ミスを防ぎます。

4. 広告の配信のチェックと調整
デジタル広告の面白いところは、配信して終わりではなく、調整ができるところです。

CVの出ていないサイトの配信を停止、クリエイティブを差し替える、入札額を下げる、など配信結果の数値を見つつ悪いところを改善します。

Facebook広告などAIがゴリゴリ運用してくれるプラットフォームは、自動で配信の比率を調整してくれたりします。

5. 広告主へのレポート作成、説明
広告主へ配信結果の数値をまとめて、コメントを付けたりしてレポートを作成します。

広告主はデジタルに詳しくない方もいるので、できるだけ分かりやすく説明するスキルが身につきます。

説明するために、なんでCPCが上がったのか?など配信結果の要因を考えるので、クリティカル・シンキングも身につきます。

1~5までの作業を全てを1人で行うのではなく、役割分担することが多いです。

1. 広告主からの依頼のヒアリングや提案
2. メディアプランニング
1、2を主に行う、広告主に向き合う営業担当

3. 各広告プラットフォームでの入稿・設定
4. 広告の配信のチェックと調整
5. 広告主へのレポート作成、説明
3~5を主に行う、デジタル広告プラットフォームに向き合う運用担当

このように役割を分けることが多いです。5の広告主へのレポートの説明は営業がする場合もあります。代理店や担当する広告主によって職域は結構変わります。

最後に、デジタル広告代理店で働くメリットとデメリットをまとめてみました。
就活中や転職活動中の方は是非参考にしてみてください。

デジタル広告代理店で働くメリットとデメリット

メリット

・スキルを身につければ個人でも働ける
検索広告やFacebook・Instagram広告は個人でもアカウントを開設することができるので、代理店にいなくても広告の運用はできます。クラウドワークスなどで個人で広告運用のサービスを提供している人もいます。

・全てネット上で完結するのでリモートワークできる
業務はパソコン1つでできます。ただ会社によっては、週2回はオフィスに出社する、クライアントミーティングは対面で行うなどのルールがあります。完全リモートの会社もあります。

・広告のパフォーマンスが数値で見えるので、データを元にした議論ができる
広告の配信結果はCPCやCTRなどの数値で見えます。「部長がこっちの広告のほうがいいって言ったから、次もこの媒体に配信しよう」のような個人的な意見によって戦略が決まることは少ないです。ただ代理店によっては社内事情が関係することもあります。

・若い人が多い
デジタルの業界は20代~30代の人が多いです。若い人が多いので、話しの合う友達も作りやすいかと思います。

・ターゲティングの考え方が身につく
広告配信の目的に合わせて媒体選定を行うので、「この商品を買う人はどんなソーシャルメディアを使っているか?どんな記事を見ているか?」を考えます。この考え方が身につけば、自分で商品を売れるようになるので重要なスキルだと思います。

・クリティカル・シンキングのスキルが向上する
広告の配信の結果の要因を説明しないといけないので、なぜその結果になったかを考える力がつきます。例えば、先週から急にCTRが下がっていたとします。クリエイティブは変えてないか?配信されたサイトや配信枠に変化はないか?ターゲティングは変更していないか?など様々な要素を見て、何が結果に影響を与えているかを考えます。

・説明が上手くなる
デジタル広告は専門用語が多く独特な概念も多いので、デジタル広告について詳しくない人に向けて、分かりやすく説明するのは結構難しいです。たとえ話を使っての説明したり、図解した資料を作成するなど、この業界で働いていることによって、説明する能力が上がったと思います。

デメリット(大変なこと)

・専門用語が多いので、慣れるまで頭が混乱する
CPC,CPM,DSP,DMP,TBD,FYI,BLSなど、英語3語に省略される言葉がめちゃめちゃあります。BLSとはブランドリフトサーベイ(広告を配信した後にアンケートを取って広告効果を測る)のことなのですが、最初の頃は間違えてBLT(ベーコンレタスバーガー)と呼んでいましたw

・作業量が多い
検索広告、Facebook、Twitter、LINE、DSPなど、インターネット上に色々なサイトやアプリ、ソーシャルメディアが出てきて、複数のプラットフォームに広告を出稿するのは当たり前になりました。複数のプラットフォームに入稿する作業は手間がかかります。配信後のレポートをまとめる作業も結構大変です。代理店によっては、複数のプラットフォームの配信結果を、一括で見れるようなダッシュボードを作っているところもあります。

・細かいルールが多い、ルールが変わる
広告に限らずインターネットの世界は、ルール変更が頻繁に行われます。最近だと、ユーザーのプライバシーを守る動きが強くなり、ブラウザのサファリでの計測が一部できなくなったり、配信に使用するデータの取り扱いが厳しくなったりしています。広告表現のルールも変更されるので、知らないうちに広告が審査落ちしていて配信が出ていなかったということもおこります。常にアップデートには注意を払う必要があります。

・精神的プレッシャーがかかりやすい
デジタル広告は簡単に設定変更できることは便利ですが、設定を間違えてしまうと大きな損失につながります。 また、広告を運用している時は、広告予算が期限内に全て使用できるか、パフォーマンスは悪化していないか、設定間違えていないかなど、私は心配性なのでプレッシャーを感じることは多かったです。

・仕事が忙しくなると孤立しやすい
個人で作業する仕事が多いので、忙しくなると人とコミュニケーションが少なくなりがちです。人とコミュニケーションをとらないと、焦ってしまったりストレス発散ができず、仕事の進みも遅くなります。さらに、仕事が増えて余裕がなくなるという悪循環に陥りやすいです。忙しいときこそ、人とチャットしたり話したりして気分転換するようにしたほうがいいです。

まとめ

運用型広告のメディアエージェンシーで働くと身につくスキルは多いですが、その分負担やストレスもかかります。

私のオススメは、1年~2年くらいデジタル広告代理店で働いて、働きやすい別の会社に転職したり、個人で仕事を受けるのがいいと思います。前の会社の同僚は、仕事量に対してお給料は安かったので、「この会社は学校みたいなものだよ」だと言っていましたw

2年働けばデジタル広告の大まかなことは理解できると思います。私は新卒で入った会社はインターンを含めて2年くらい働きました。残業も多く大変でしたが、その時に学んだクライアントへの対応の仕方や、仕事の進め方は今でも役に立っています。

ただ、無理は禁物でストレスがかかりすぎて、お腹が痛くて会社に行けないと思ったら辞めたほうがいいです。また、自分とは合わなそうな会社は選ばないほうが良いです。私は一緒に働いていたメンバーは性格が合う人が多かったので続けられたと思います。

デジタル広告代理店出身者は転職がしやすいと思います。デジタルの広告を運用していた経験は重宝されると思います。また、新しいスキルを身につけた経験は、別のことを学ぶ時に「数年勉強すれば新しいスキルは身につけられるな」という自信に繋がります。

転職を考えている方へ
エージェントを使うかどうか迷っていますか?自分に合った転職エージェントを探す方法をご紹介しているこちらの記事も是非参考にしてみてください。